去る2020年5月、非常に厳しい措置の下に敷かれていたMCO(活動制限令)が一部緩和され全面的な経済活動、社会活動の再開に伴い、コロナウイルス対策として企業が従うべきSOP(Standard Operating Procedure:標準作業手順)が公表されました。
SOP(Standard Operating Procedure:標準作業手順)とは
「標準作業手順書」というと、今までは作業効率化などの場面で聞く言葉でしたが、今回のコロナ禍でマレーシアでは以下のような規定が公表され、5月4日より実施されています。
- ソーシャルディスタンスの確保
- 他人とは最低1m、可能であれば2mの距離を保つことが望ましい
- 可能な限りマスクを身に付ける*
- 衛生習慣の推奨
- 頻繁に石けんで手を洗い、消毒をする
- 感染症の予防
- 感染症の動向を観察し感染拡大防止に努める
- 従業員の体温を毎日測り、体調を確認する
- 集会を避ける
- 映画館やサッカー場、ナイトクラブ等人が集まる場所の営業は許可されない
- チームスポーツやプレイヤー同士の接触があるスポーツの禁止**
*2020年8月1日より混雑する公共の場所や公共交通機関でのマスク着用が義務化されました。着用していない場合は罰金が科されます。
**映画館は2020年7月1日より入場者人数制限付きで営業再開、各スポーツは定められたSOP順守の下再開が認められています。
※ソーシャルディスタンス確保を促すため、商業施設内の足元にはオリジナルのステッカーが貼り付けてあります。
SOPの公表から3ヶ月、これらSOP順守に加え「混雑した場所(Crowded places)」「狭い空間(Confined spaces)」「密な会話(Close conversations)」の「3C」を避けるなど、新たな習慣がニューノーマルとして人々の日常に定着しています。
マレーシア政府開発アプリ MySejahteraとは?
MySejahteraは、マレーシア国内の新型コロナウイルスの流行を管理するため、政府主導の下開発されたアプリです。
このアプリを用いてオフィスや商業施設、小売店や公共交通機関の駅など自身が訪れる場所にチェックインすることで、アプリ保有者の感染リスク管理や感染発覚前の行動追跡を行うことができます。
さらにアプリ内に個人情報を登録しておくと、6つにカテゴリー分けされた感染リスクの内、自身がどのステータスにあるのかチェックインの度に情報を得ることができます。
アプリのリリース当時は強制ではなかったものの、8月に入ってから政府より全てのビジネスにおいてMySejahteraの導入義務化が発表されました。
※駅やオフィス、商業施設の入り口にQRコードが掲示されており、チェックインを済ませてから各施設へ入ります。
マレーシアの入国条件
マレーシア転職を検討されている方が今一番気になっているのは、「そもそもマレーシアに入国できるのか」という点ではないでしょうか。
2020年8月13日現在、以下の条件を満たすことで外国人の入国が認められています。
※引用元:The Daily NNA マレーシア版 「駐在員の入国手続きを厳格化 入管、現場対応に注意必要」2020年7月30日付
全ての外国人が入国できるわけではなく、滞在可能なビザを保有し、一定の条件を満たした方であれば入国することが可能です(ただし入国後は14日間の強制隔離が必要)。そのため、7月半ばを過ぎてからは一時帰国からマレーシアに戻ってきたという話を聞くようになり、MCO開始直後から中断されていた就労ビザの申請手続きに関しても新規の承認が下りるようになってきました。
もちろん楽観視はできませんが、近い将来、ビザ保有者だけでなく観光目的の方も特別な条件無く入国できるようになる日が来ることを祈るのみです。
おおらかな国民が多いマレーシアですが、今は国が一丸となって新型コロナウイルス終息に向けて一人一人がルールを守り、行動に気を付けているように感じます。
「自分は関係ない」「自分は感染しても大丈夫」ではなく、こまめな手洗いや消毒、日々の体調管理とできることから習慣づけたいですね。
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